そんなに頬を染めて、そんなに楽しいのかい。
そう聞くとは、楽しいんじゃなくて幸せなのよ、と嬉しそうに答えた。
…妬ける。
「それはどうも」
「ええ、とっても幸せ!私、彼と結婚してもいいわ」
「お前がそう思っても相手がそう思ってなきゃ無理だろ、お嬢さん?」
「いいわよ、絶対その気にさせるから!」
こりゃあ、手に負えないやと、内心苦笑いしながらのろけを聞かされること約30分。
(こっちは嫉妬で狂いそうなのに…)
そう思うが、しかし、その笑顔が見たくてついつい会ってしまう。
「こういう話なら他の女友達に話せよ」
「フランスがいいの!」
「なんでまた…」
むごいことを。そうは思うが、しかし、満更でもない。
これから先も、フランスが彼女の隣に並ぶことはなくて、それでも、好きで好きでたまらない。
行き場のない想いだけが、いつも、喫茶店のテーブル越しのとの間に浮かんでいるばかり。
「これからも、親友としてよろしくね」
飛び切りの笑顔を作った口からこぼれ出た残酷な言葉はある意味、確約だ。
常に最悪なのだから
(永久に二番目のままだとしても、)(せめてこの立ち位置だけは、)
2008/11/20 『もっと私を愛してよ!』様に提出 ありがとうございました!